皮膚の病気について
皮膚の病気は、患者さんご自身でも目で見て確認することができ、治療の結果も一目瞭然になることから、症状や治療結果に振り回されて不安やストレスを抱えることが多々あります。
治療に対して常に前向きな気持ちを保つためには、診療に当たる医師や医院のスタッフとの間の信頼関係を築くことが何よりも大事です。
そのために当院では丁寧な問診ならびに視診を心がけ、必要に応じて様々な検査をしながら、病気の原因や考えられる治療法(選択肢)を詳しく分かりやすくご説明をさせて頂きます。
また、難治性のものであっても現状維持の治療に終始することなく、大学病院など必要な医療機関と適切に連携しながら治療を行っていきます。
とはいえ通常の診療では時間的制約もあり、忙しい日常生活の中では思うように通院に時間がとれないことも事実です。
患者さんが不安を抱えず、納得されて治療に関わって頂くために、またご自身の状態に最も合った治療法を医師やスタッフと共に効率よく話し合って選択できますように、このホームページや院内のパンフレットなどをぜひご活用ください。
正しい知識を得た上で、一緒に治療を進めて参りたいと思います。
一般皮膚科の主な対象疾患
蕁麻疹
かゆみの強い、類円形などのわずかに盛り上がったミミズ腫れが数分~数時間できて消えていくものを蕁麻疹(じんましん)と言い、3~4週間以内に治るものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹と言います。
蕁麻疹の原因や悪化因子は、食物、内服薬、ウイルスや細菌の感染、扁桃腺や虫歯などの慢性感染症、疲労、精神的ストレスなど無数にあります。振動や圧迫などの機械的刺激、寒冷や温熱などの温度変化、日光などでも発症することがあります。
検査では皮内反応やアレルギーの血液検査(IgE RAST法)や一般血液検査等を行いますが、アレルギー以外の原因のものもあるため、血液検査のみでの原因確定は困難なことがほとんどです。慢性蕁麻疹では慢性感染症の有無も確認します。
治療は対症療法となりますが、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、H2ブロッカーなどを使います。
最近のクスリは眠気などの副作用が少なく、作用時間や効果発現も従来のものと比べて優れていますので、先ずは自分にあったクスリを探すことが重要です。1剤を1週間くらいずつ内服して試しますが、最低でも2~3日は内服してみないと効果は判定できません。
効果があっても内服を突然中止するとまた出ることが多いので、内服する間隔をあけてゆき、出ないのを確認しながら徐々に中止します。また疲労やストレス、機械的刺激や急激な温度変化など、悪化因子になりうるものを出来るだけさけることも大切です。
脂漏性皮膚炎
脂腺の多いところ(脂漏部位)にできる湿疹で、頭部、顔、胸背部などに鱗屑を伴った紅斑が出現します。生後1~2か月ほどで出現する乳児型と、皮脂の分泌が亢進する思春期以降に出現する成人型に分けられます。乳児型が自然に治癒してしまうのに比べ、成人型は慢性の経過をとり再発を繰り返します。頭、顔、耳にフケがしつこくでて、非常に憂うつになる病気です。
脂漏性皮膚炎の原因は遊離脂肪酸が増加することによる皮膚への刺激といわれています。さらに皮膚常在真菌(マラセチア)が皮脂を分解し遊離脂肪酸を産生するともいわれています。
治療はステロイドと抗真菌剤(ケトコナゾール)の外用の2本立てになります。最初はステロイドを中心に外用して炎症を沈静化させます。頭部の鱗屑が多い場合には洗髪前に白色軟膏をなじませてふやかし、少しずつ取っていきます。症状が軽快してきたら抗真菌剤に切り替えていきます。
生活習慣の改善も大事で、低刺激のシャンプーや石鹸で患部をやさしく洗うこと、バランスのとれた食事、睡眠などに関して規則正しい生活をしてストレスを避けることも大事です。
上記の日常生活での注意点に気をつけ、皮膚科専門医の適切な治療を受ければ、気にならない程度にまでコントロールできる疾患です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、痒みを伴う特徴的な湿疹を慢性的に繰り返す皮膚病です。
「かゆみ」
「全体的に乾燥傾向のある湿疹が左右対称性にある」
「慢性、反復性の経過をとる」
これら3つの症状を伴う場合に診断に至ります。
多くの方は「アトピー素因」と呼ばれる喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、食物アレルギーなどのアレルギー性疾患の既往歴、家族歴を持っていることから、長らく「皮膚の炎症」を引き起こす免疫学的な側面からの研究が盛んでした。しかし、近年は「皮膚のバリア機能」や「かゆみ」も重要であることが明らかになっています。皮膚には、私たちの体を紫外線や化学物質、細菌などの外界の環境から守る「バリア機能」の役割があります。アトピー性皮膚炎の方はこの「皮膚のバリア機能」が低下しているため、さまざまな抗原(アレルゲン)や細菌、刺激物質などが入りやすくなり、それにより炎症細胞が活性化されて「皮膚の炎症」を引き起こすことがわかってきています。
また、アトピー性皮膚炎の皮膚では「皮膚の炎症」や「皮膚のバリア機能」の低下により引き起こされる「かゆみ」を特異的に伝達する神経がより発達しており、ヒスタミン以外の多くの起痒物質が「かゆみ」に関与しているとも言われています。「かゆみ」の増悪により掻きむしることで、元々低下している「皮膚のバリア機能」が更に低下し、侵入しやすくなった刺激物質が「皮膚の炎症」を引き起こすという「かゆみ」→「皮膚のバリア機能」→「皮膚の炎症」のサイクルを繰り返すことにより、アトピー性皮膚炎は増悪すると考えられています。
年齢によるアトピー性皮膚炎の皮疹の特徴
アトピー性皮膚炎は、年齢的な特徴があり、特に乳児期から幼児に病状が大きく変化します。
乳児期(2歳未満)では、頬、額、頭の露出部の乾燥から始まり赤みが出てきます。赤みが強くなってくると、かゆみを伴った湿疹が出現してきます。湿疹を引っ掻いたり、摩擦が起きたりすることで皮膚が傷ついて浸出液を生じ、痂疲を作り、場合によっては感染を伴います。湿疹は顔面から頚部、腋窩、肘窩、膝窩を中心に、胸腹部、背部、四肢へ一気に広がり悪化します。重度であっても、おむつの中の皮膚は正常に近いままであることも特徴です。この時期のアトピー性皮膚炎は、重症度が高いほど他のアレルギー性疾患の発症のリスクが高まることが示されています。一方で、早期に適切なケアをすれば治療への良い反応が期待できる時期でもあります。
幼児期・学童期(2~12歳)は、乳児期に比べると顔面の湿疹は少なくなり、関節部分の湿疹が悪化します。よく動き回るため特に頚部、腋窩、膝窩、鼠径、手首、足首の症状が典型的になります。さらに小学生以降では、四肢末端のかゆみの強い湿疹を掻き続けることで、固いしこり(痒疹)に移行することがあります。虫刺されの様な症状から変化してくることもあり、難治になるため湿疹の経過に注意が必要です。
思春期(13歳以上)以降は、顔面や頚部を中心に胸から上に湿疹が強い傾向があります。アレルギー性鼻炎、結膜炎も明らかになってきます。保湿剤や軟膏を保護者に塗ってもらうことをお子様が嫌がるようになる時期でもありますので、お子様自身で外用治療を継続できるように、思春期を迎える前に徐々に取り組んでおくと、スムーズに治療を本人に任せることができるようになります。
アレルギーマーチについて
乳幼児期に発症したアトピー性皮膚炎の方の7~8割が成人までに軽快するものの、小児期以降まで持ち越したアトピー性皮膚炎はその後の軽快が難しくなると言われています。乳幼児期のアトピー性皮膚炎は、重症度が高いほど他のアレルギー疾患を次々と発症することが分かってきており、これを「アレルギーマーチ」と言います。(アトピー性皮膚炎→食物アレルギー→気管支喘息、アレルギー性鼻炎)
新生児期から保湿剤を一日複数回塗布することで、アトピー性皮膚炎発症のリスクが下り、その後のアレルギーマーチを予防できるのではないかとも言われています。以前に比べ、乳幼児期にアトピー性皮膚炎の診断を慎重に、かつ早めに行い、積極的な早期治療を考えることが大切であるという意識が、一般的に浸透してきています。アレルギーマーチを発症しないためにも、気になる皮膚症状がありましたら、ぜひ早期にご相談にいらして下さい。
アトピー性皮膚炎の治療について
目標
アトピー性皮膚炎の治療では、以下のような状態を維持できるように目指します。
① 症状がない状態、あるいはあっても日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態
② 軽い症状はあっても、急に悪化することはなく、悪化してもそれが続かない状態
アトピー性皮膚炎は改善と悪化を繰り返しやすい疾患ですが、良い状態を維持することで、かゆみで目がさめず朝までぐっすり眠れるようになったり、プールで思い切り遊べるようになったり、生活の質の向上に繋がります。良い状態を維持して、ご自身の目標を達成しましょう。
治療の概要
当院では、患者様の症状やそれまでの治療歴に応じて、皮膚のバリア機能を高めるための保湿剤などのスキンケア、皮膚の炎症やかゆみを抑えるための外用剤や抗アレルギー剤の内服などを中心に治療を行っています。また、入浴などの生活指導、汗対策、掃除などの環境対策も重要です。気候の変化、汗、ストレスといった刺激によっても症状は増悪します。その他、皮膚の炎症を引き起こす刺激物質(アレルゲン)としてはダニやホコリなど環境抗原が多いですが、カビや花粉に対して陽性となる方もいますので、必要に応じアレルギーの血液検査も行っています。
外用療法について
外用剤の治療の中心となるのは、炎症やかゆみを抑えるためのステロイド外用薬と、症状が落ち着いてからの皮膚バリア機能を高めてよい状態を維持するための外用剤であるプロトピック軟膏®、コレクチム軟膏®、モイゼルト軟膏®となります。
炎症が高度な場合、まずはステロイド外用剤で速やかに炎症を抑えます。従来は炎症が再燃した時に合わせてステロイド外用剤を外用し、炎症をコントロールする方法(リアクティブ療法)をとっていましたが、現在推奨されている外用方法は「プロアクティブ療法」です。
ステロイド外用による「プロアクティブ療法」
- まずは即効性のあるステロイド外用剤で速やかに炎症、かゆみを抑えます。部位や重症度により、ステロイド外用薬の種類は異なりますが、皮膚の手触りがなめらかになり、かゆみがとれるまで連日外用します。目安は1~2週間。併用する保湿剤は1日2回以上塗りましょう。
- 症状が軽快したら、ステロイド外用薬を間欠的に(週1~2回)外用し、皮膚の良い状態を維持します。
一見きれいに見える状態でも皮膚の奥には炎症が残っていますので、ステロイド外用薬を一気に中止すると容易に再燃してしまいます。このように、再燃する前に間欠的に外用することを「プロアクティブ療法」といいます。この間も保湿剤の1日2回外用は継続し、徐々に維持外用薬に切り替えていきます。
適切なステロイド外用剤による治療で症状が落ち着いた後に、維持外用薬(モイゼルト®軟膏、コレクチム®軟膏、プロトピック®軟膏)を用いて維持療法を行います。
※維持外用薬にも皮膚の炎症やかゆみを抑える作用はありますが、即効性がないため、現時点では、比較的新薬であるコレクチム®軟膏、モイゼルト®軟膏については「プロアクティブ療法」が有効であるかどうかははっきりわかっていません。今後の治療経験の積み重ねにより明らかになっていくと思われます。
※2024年11月よりアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬治療剤であるブイタマー®クリームが発売となりました。ブイタマー®クリームは、ステロイド外用剤やこれまでの維持外用薬とは異なる作用機序で症状を和らげる新しいお薬です。
現時点では、当院でのアトピー性皮膚炎に対するブイタマー®クリームの取り扱いは行っておりません。
治療のポイント
以上のように、アトピー性皮膚炎は根気よく治療を続けていると多くの方で症状が改善され、日常生活は維持療法や保湿剤のみでコントロールが可能になります。
また、アレルゲンを減らすためのこまめな部屋掃除など、住環境の改善も必要です。しかし、普通の社会生活を送っている以上、完全にダニやホコリを完全に遮断した生活は不可能ですから、症状の程度に波があってもおかしくありません。たとえ症状が軽くても、日々の保湿剤を中心としたスキンケアを欠かさないことが重要です。炎症が取れた“アトピー性皮膚”の状態に落ち着くまで、地道に治療を続けましょう。
※乳幼児の場合は、前述のように皮膚の病変部で暴露された食物を含めた環境抗原によるアレルギーの発症を予防するためにも、早期診断・早期治療が望ましいと考えられています。
難治性の重症アトピー性皮膚炎の治療
【生物学的製剤・JAK阻害薬】
残念ながら上記の薬剤でも湿疹のコントロールが難しい方もいらっしゃいます。長い間炎症が続いていたために皮膚が厚くなり触れるとザラザラしている苔癬化という状態になっている方、皮疹が固く盛り上がり虫刺されの後の様な結節性痒疹という状態になっている方には外用療法のみでは限界があります。
アトピー性皮膚炎では、IL-4、IL-13、IL-31をはじめとするサイトカイン(※)という免疫物質が皮膚の炎症を引き起こし、皮膚のバリア機能を低下させたり、かゆみを起こしたりすることが知られていますが、生物学的製剤であるデュピクセント®はIL-4 、IL-13をピンポイントに抑えるため、「かゆみ」→「皮膚のバリア機能低下」→「皮膚の炎症」の悪化サイクルへの介入が期待できます。また、同じく生物学的製剤であるミチーガ®はIL-31をピンポイントに抑えるため、上記の悪化サイクルのうち、特に「かゆみ」の改善が期待できます。その他、IL-13のみを抑えるものとして、アドトラーザ®、イブグリース®もあります。
それらに加え、ステロイドなどの免疫抑制剤の内服薬とは異なるアトピー性皮膚炎内服薬として、免疫担当細胞の表面にあるヤヌキナーゼ(JAK)を阻害する内服薬も追加されました。
※サイトカインとは:免疫細胞から分泌され、遺物から体内を守る働きをしているたんぱく質。炎症性サイトカインが過剰に分泌されると、炎症やかゆみの原因となる。
【中波紫外線療法】
部分的な難治性の湿疹に対しては、当院では特定の領域の中波長をあてる紫外線療法(エキシマライト)を選択することもあります。中波紫外線の「免疫の働きを弱める作用」を利用し、アトピー性皮膚炎や乾癬、円形脱毛症などの皮膚疾患の治療に用いられます。照射時に痛みはなく、紫外線アレルギーがなければ重い副作用の報告もありませんが、色素沈着が照射部位に一致して起こります。複数回の照射が必要となります。
当院では以上の治療を適切に組み合わせてアトピー性皮膚炎を軽快させ、長時間良い状態に維持することを目指しております。更に詳細をお知りになりたい方は、下記バナーをご覧ください。
各々の製剤の詳細は以下の各「●●の詳細はこちら」をクリックしてご覧ください。
アトピー性皮膚炎治療薬
【ステロイド外用薬】
治療の基本となる薬で、部位や湿疹の重症度に応じて適切な強さ(ランク)を選択します。即効性があり、主に炎症やかゆみを抑えます。通常は1日1回で、湿疹部に外用します。
ステロイド外用薬には様々な種類があり、作用の強さに違いがあります。「強さ」は5段階に分類されます。
Ⅰ群.最も強い(ストロンゲスト):デルモベート®など
Ⅱ群.非常に強い(ベリーストロング):アンテベート®・ネリゾナ®など
Ⅲ群.強い(ストロング):リンデロン®・メサデルム®など
Ⅳ群.おだやか(マイルド):キンダーベート®など
Ⅴ群.弱い(ウィーク):プレドニゾロン®など
【プロトピック軟膏®】2歳から使用可能
プロトピック軟膏®の有効成分であるタクロリムスは、皮膚の過剰な免疫反応を抑える効果があります。タクロリムスは皮膚から吸収されると刺激やかゆみの元になる物質を作り出す神経に働きかけるため、その物質が大量に放出されます。これが使い初めに刺激となって感じられることもありますが、1週間ほどで刺激感は減少していき、それと同時にアトピー性皮膚炎によるかゆみも治まっていきます。プロトピック軟膏®は、ステロイドのように皮膚が薄くなる心配がないので長期間外用していただけます。また、粒子が大きいため正常な皮膚からは吸収されず、バリア機能が壊れている皮膚からのみ吸収されるので副作用の心配が少ないです。
【コレクチム軟膏®】生後6カ月から使用可能
2020年6月より、日本で開発された世界初の非ステロイド・外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。サイトカインが免疫担当細胞であるTh2細胞上のJAKという受容体にくっつくと、JAKは更にサイトカインをたくさん作るように命令します。コレクチム軟膏®は、このJAKの働きを抑えることで、炎症やかゆみを抑えアトピー性皮膚炎を改善します。副作用としてまれに刺激感が感じられることがあります。外用する際は、皮膚を覆うようにたっぷり塗ると、薬剤が患部まで浸透します。たっぷり塗ることで乾燥した皮膚を守る効果も期待できます。
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【モイゼルト軟膏®】生後3カ月から使用可能
日本初のホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤の外用薬で、ステロイド外用薬やプロトピック軟膏®、コレクチム軟膏®などの免疫抑制外用薬とは異なる新しい作用を持つ塗り薬です。アトピー性皮膚炎の炎症細胞の中にある炎症を抑えるシグナルを分解し、炎症を増幅してしまう酵素であるPDE4をモイゼルト軟膏®が阻害することで、炎症とかゆみを改善します。副作用としては皮膚炎、ざ瘡(ニキビ)、毛包炎(おでき)、色素沈着などが考えられますが、免疫を抑制しすぎることがないため重症な副作用もなく、安全性の高い外用薬として認識が広がっています。ステロイドの様に皮膚が薄くなったり、プロトピック軟膏®のように初期の刺激感が出たりすることもありません。ステロイド、プロトピック軟膏®、コレクチム軟膏®の様な使用量の制限がないため、広範囲に外用できるのも利点です。効果を出すためには1か月くらい必要です。
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【ブイタマー®クリーム】12歳から使用可能
最新の外用薬であるブイタマー®クリームは、有効成分タピナロフが皮膚の表皮細胞に存在する芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより、様々な遺伝子に働きかけ、皮膚の炎症を起こすサイトカインを低下させ、抗酸化分子の発現を誘導して皮膚の炎症を抑制すると共に、皮膚のバリア機能を改善します。他の薬と異なり1日1回の外用剤です。副作用としては、吹き出物、ニキビ、かぶれ、頭痛などがあります。
※現時点では、当院ではアトピー性皮膚炎に対しての取り扱いはしておりません。
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【デュピクセント®】生後6カ月から使用可能
従来の治療法で十分な効果が得られない、アトピー性皮膚炎の方は、「デュピクセント®」を検討します。2週間に1回(体重30kg未満の小児は4週に1回)の注射で、免疫細胞が産生する炎症に関与する物質、サイトカインのIL-4、IL-13の作用を抑えることができます。これにより、アトピー性皮膚炎の主な要因である「皮膚の炎症」「かゆみの増悪」「皮膚のバリア機能低下」のすべてに対する効果が期待できます。自己注射も可能ですので、通院に伴う時間的な制約や負担が減り、ご自身のライフスタイルに合わせて治療が可能になります。主な副作用に過敏症反応、結膜炎(目やまぶたの炎症)、ヘルペス感染、注射部位反応が考えられます。保湿剤の継続は必要です。
» デュピクセント®の詳細はこちら
【ミチーガ®】6歳から使用可能
デュピクセント®と同様、従来のアトピー性皮膚炎の治療である各種外用薬及び抗アレルギー剤を使用しても、主に「かゆみ」が改善しない場合に、かゆみに対する効果が強いミチーガ®を検討します。ミチーガ®は通常4週に1回の注射で、IL-31の働きをブロックする新しいタイプのお薬です。ミチーガ®は、特に発達障害(特に自閉症スペクトラム)で感覚過敏がある方、搔破行動が非常に強い方、新規治療薬を使うことに抵抗がある方にとって、注射の本数、用量、頻度などを含めて検討した時に、初めに導入する全身治療法として、有効な治療法の一つと言えます。ミチーガ®は、他の全身療法と比較すると抗炎症効果は強いものではありませんが、感覚過敏があり著しい搔破が認められる症例に対しては、IL-31のみを抑えることで「皮膚の炎症」に対しても改善効果が期待できます。保湿剤の継続は必要です。
主な副作用は、過敏症反応、感染症、皮膚状態の悪化、注射部位反応が考えられます。
アトピー性皮膚炎の治療のまとめ
【外用薬】
モイゼルト®軟膏 | コレクチム®軟膏 | プロトピック®軟膏 | ブイタマー®クリーム | |
---|---|---|---|---|
有効成分 | PDE4阻害薬 (ジファミラスト) |
JAK阻害薬 (デルゴシチニブ) |
免疫抑制剤 (タクロリムス) |
AhR調整薬 (タピナロフ) |
適応年齢 用法用量 |
1日2回塗布 【生後3ヶ月以上】 0.3%・1% [1回あたりの塗布量] 2歳:0.6㎥=6g 4歳:0.75㎥=7.5g 10歳:1.0㎥=10g 【15歳以上】 1%のみ [1回あたりの塗布量] 15歳以上:1.68㎥=16.8g |
1日2回塗布 【生後6か月以上】 0.25%・0.5% 【15歳以上】 (治験は16歳以上) 0.5%のみ [1回あたりの塗布量] 上限5gまでとし 体格を考慮 体表面積の30%まで目安 |
1日1~2回塗布 【2歳以上】 0.03%のみ [1回あたりの塗布量] 2歳~5歳 (20kg未満)=1g 6歳~12歳 (20kg以上50kg未満)=2g~4g 13歳以上 (50kg以上)=5g 【15歳以上】 0.03%・0.1% |
1日1回塗布 ●アトピー 【12歳以上】 [1回あたりの塗布量] 適量 ●尋常性乾癬 【15際以上】 [1回あたりの塗布量] 適量 |
剤型 | 10g・28g/本 | 5g・10g/本 | 5g/本 | 15g/本 |
【注射薬】バイオ製剤
デュピクセント® | ミチーガ® | アドトラーザ® | イブグリース® | |
---|---|---|---|---|
有効成分 | 抗IL-4/13受容体抗体製剤 (デュピルマブ) |
抗IL-31受容体抗体 (ネモリズマブ) |
抗IL-13受容体抗体 (トラロキヌマブ) |
抗IL-13受容体抗体 (トラロキヌマブ) |
適応年齢 用法用量 |
【生後6か月以上】 ●5kg以上15kg未満: 200㎎(シリンジ1本) 4週に1本 ●15kg以上30kg未満: 300㎎(ペン1本) 4週に1本 ●30kg以上60kg未満: 400㎎(シリンジ2本) 2週に1本 (初回は2本) ●60kg以上: 300㎎(ペン1本) 2週に1本 (初回は2本) 【15歳以上】 300㎎(ペン1本) 2週に1本 (初回は2本) |
【13歳以上】 60㎎(シリンジ1本) 4週に1本 【6歳以上13歳未満】 30㎎(バイアル1本) 4週に1本 ★13歳未満は 自己注射不可 |
【15歳以上】 300㎎(シリンジ2本) 2週に2本 (初回は4本) ★自己注射可 |
【12歳以上 かつ40kg以上】 250㎎(ペン1本) 2週間に1本 (初回と2回目は2本) ※症状に応じて 4週に1回も可能 ★自己注射不可 (令和7年4/30まで) |
剤型 | ペン シリンジ |
シリンジ バイアル |
シリンジ | ペン シリンジ |
【内服薬】JAK阻害薬
リンヴォック® | サイバインコ® | オルミエント® | |
---|---|---|---|
有効成分 | JAK阻害薬 (ウバタシチニブ) |
JAK阻害薬 (アプロシチニブ) |
JAK阻害薬 (バリシチニブ) |
適応年齢 用法用量 |
【12歳以上かつ 体重30kg以上】 1日1回1錠 1回につき15㎎を経口投与 ※アトピー性皮膚炎の成人については症状に応じて 1回30㎎まで投与可 ★開始後1か月、3か月、 6か月、12か月後に 胸部レントゲン(胸部CTも可)・血液検査が必要 |
【12歳以上】 1日1回1錠 1回につき100㎎を経口投与 ※症状に応じて 1回200㎎まで投与可 ★開始後1か月、3か月、 6か月、12か月後に 胸部レントゲン(胸部CTも可)・血液検査が必要 |
【2歳以上】 1日1回 ●アトピー(小児)・関節炎 30kg未満:1回2㎎ ※症状に応じて1㎎に減量 30kg以上:1回4㎎ ※症状に応じて2㎎に減量 ●リウマチ・アトピー(成人)・円形脱毛症/ 1回4㎎ ※症状に応じて2㎎に減量 ★開始後1か月、3か月、 6か月、12か月後に 胸部レントゲン(胸部CTも可)・血液検査が必要 |
剤型 | 錠剤 | 錠剤 | 錠剤 |
※当院では現時点ではブイタマー®クリーム、アドトラーザ®、イブグリース®、およびJAK阻害薬の取り扱いはしておりません。
花粉症・花粉皮膚炎
花粉症は、スギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、ヨモギといった植物の花粉が鼻や目の粘膜に触れることによって発作性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみなどの一連のアレルギー症状を言います。原因物質としては、日本ではスギが多く、花粉症の約70%がスギ花粉症と言われています。
症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりのアレルギー性鼻炎と目のかゆみ、充血のアレルギー性結膜炎が生じます。
花粉症は、その年に飛散する花粉数によって症状の強さが変わり、また、症状もくしゃみ・鼻水がつらいタイプと鼻づまりが強くなるタイプに分けられます。
またスギ花粉の季節に、スギ花粉症ある患者さんの一部の人に露出部(顔や頸部)が、赤くなりかゆくなります。ブタクサで同様の症状がでることもあります。
アトピー性皮膚炎の30%の人にこの季節、症状の悪化があるとの報告があります。
花粉症の治療
花粉症の治療は、内服薬や、点眼薬などを症状に応じて、組み合わせて使用します。
作用別には、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、局所ステロイド薬、局所血管収縮薬などに分けられますが、抗アレルギー薬などは、一定の効果がでるまでに時間がかかることから、症状の出始める前に治療を始めることが大切です。
花粉が飛び始める2週間前くらいからお薬を飲んだり、目薬をさすことで、症状を軽く抑えることができますので、どうぞお早めにご来院下さい。
ご自身でもできる花粉症対策
外出時には、マスクや防止を着用
花粉の吸引を最小限に抑えるためのマスクや、髪に花粉をつきにくくするための帽子を身に着けて外出しましょう。フリースなどの花粉がつきやすい素材の服は避け、家に入る前に体の花粉をよく払うことも効果的です。
こまめな掃除と空気清浄機の活用
どんなに気をつけても、家の中の花粉をゼロにすることはできません。こまめに掃除機をかけ、家の中に花粉がたまらないように注意しましょう。また、ほこり・ダニ・花粉の除去が可能な空気清浄機を使用することも効果的です。
バランスの良い食事を摂り、よく眠る
花粉症は、アレルギー症状です。ストレスがたまっていたり、体が疲れていたりすると、アレルギーが出やすくなります。栄養のある食事を摂り、睡眠をしっかり取って体を十分に休め、健康な状態を保つことが大切です。
にきび(ざ瘡)
ニキビは主に以下の3つの原因が組み合わさって出現します。
①皮脂の過剰分泌、②毛穴のつまり、③毛穴の中の細菌(ニキビ菌など)の増殖です。
ホルモンの影響やストレス、紫外線などによって①が、化粧、洗浄不足、乾燥、髪の毛、汗などの刺激によって②が出現し、①+②による皮膚のpHによって③が出現してきます。
治療もこれらに即して選択していきますが、今あるニキビの跡を残さないこと、にきびのできにくい皮膚状態にコントロールすることの2つが治療の目標になります。
まず炎症性の赤~黄色いにきびでは、ニキビ菌や他の雑菌が増殖していますので、抗菌剤の外用や内服が必要になってきます。ただし長期に内服すると耐性菌の出現や口腔カンジダ症などの副作用の問題が出てきます。
白や黒にきびは毛穴の出口が古い角質と皮脂、細菌などがつまって出来た面疱の中に皮脂が貯まることによって出現します。面疱圧出、ディフェリンやレチノイン酸など皮膚のターンオーバーを促進する外用剤やピーリングによる角栓の除去が主体になります。さらに面疱をできにくくするには皮脂抑制と皮膚のターンオーバーを調整する必要があります。上記に加え、保湿剤、洗浄などのスキンケアが大事になってきます。
当院では、まずは保険適用のあるアダパレン製剤(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル製剤(デュアック、ベピオ)を使用して頂けるように指導していきます。アダパレン製剤はターンオーバーを促進することによって角質が薄くなり、毛穴のつまりが予防されまずが、敏感な人は赤みが出たり、ヒリヒリ感などが生じます。乾燥しすぎるとかえって皮脂の分泌量が増えてしまうこともあり、これらの予防のために適度な保湿が必要になります。多くの人は1~2週間という期間をかけて何とか使えるようになることがほとんどです。
一方、過酸化ベンゾイル製剤は強力な殺菌作用、ピーリング効果を併せ持った薬剤で赤ニキビにも使用可能であり、抗菌剤による問題も解消され非常に有効な薬剤です。しかしディフェリン同様、刺激症状が出ることが知られていますので注意が必要です。
アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤であるエピデュオは両者の作用を併せ持ち、どちらか一方ではコントロール不良なニキビ患者さんに使用されます。
どの薬剤もお肌の状態やニキビの種類によって選択し、処方いたします。
その他保険外になりますが、ビタミンCの外用やイオン導入には炎症後色素沈着に対する美白効果のほか、皮脂の過剰分泌を抑える作用があるため、肌に浸透させることで毛穴詰まりを起こしにくくなり、ニキビが悪化する可能性を低減できます。
イボ(ウイルス性疣贅)
イボウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)の感染症です。体のどこでも発症しますが、主に手・足の指や足の裏にできます。通常は皮膚色、ざらざらとした質感の盛り上がりで発症し、徐々にドーム状に隆起してきます。
時に痒みや発赤などの炎症反応を生じて自然治癒することもありますが、基本的には感染症ですので、イボをいじると、その周囲にたくさんイボがうつってしまいます。
足の裏にできたものはあまり盛り上がらないため、よくウオノメや、タコと間違われます。削ったり、イボコロリを貼ったりの自己治療で悪化されることも多いです。子供の場合はまずイボであると考えてよく、早めに皮膚科専門医を受診し、周囲にうつるまえに治療を開始することが大切です。
また扁平疣贅(青年性扁平疣贅)は青年者の顔によく見られます。自覚症状のない数mm大の扁平な丘疹が多発し、掻破や髭剃りに伴って増加(自己播種)します。
残念ながら一回で治るような治療法や特効薬はありません。液体窒素療法治療(液体窒素でいぼを冷やしてヤケドをおこす方法)が一般的ですが、ヤケドと同様の痛みを伴い、1~2週間に1度の頻度で複数回うける必要があります。
治りにくい場合には、内服療法(ヨクイニンエキス)、外用療法(サリチル酸など)を併用します。扁平疣贅の場合は炭酸ガスレーザーも有効な場合があります。
また治療が終了したように見えても、周囲皮膚に感染して残っていたりすることもありますので、しばらくは外用療法などを継続しつつ経過観察します。
掌蹠膿疱症
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」とは、手のひら、足の裏に左右対称性に水ぶくれや膿が繰り返しできる病気です。膿の中に菌は入っていないため(無菌性膿疱)、人に感染することはありませんが、水虫そっくりの症状が出るため、誤解されることも多い病気です。また皮膚以外に鎖骨や四肢の関節を中心に痛みや腫れを生じる患者さんもいらっしゃいます。
治療
患者様によっては治療期間が長くなることがあり、その間は症状が出たり、良くなったりを繰り返します。
はっきりとした原因はよくわかっていませんが、扁桃腺炎や虫歯、中耳炎などの病巣感染や歯科金属などの金属アレルギーが関係していることもあります。これらが明らかである場合はまず感染症を治療したり、歯科金属を除去したりすることが推奨されます。
また、掌蹠膿疱症の患者さんには喫煙者の方が多いことから、何らかの関与があるのではないかと考えらえています。健康のためにも禁煙することを心がけましょう。
その他は主に「外用療法(塗り薬)」、「内服療法(飲み薬)」「紫外線療法」が挙げられます。
●外用療法(塗り薬):基本の治療となります。
主に、免疫の働きを抑えて炎症を抑える「ステロイド外用薬」、皮膚の細胞に働きかけて異常な増殖を抑える「ビタミンD3外用薬」が用いられます。
●内服療法(飲み薬)
中等症~重度の場合に用いられます。
主に、角質細胞の異常な増殖を抑える薬(ビタミンA)、細菌感染を治す薬(抗生剤)、炎症を抑える薬(非ステロイド系抗炎症剤)、かゆみを抑える薬(抗アレルギー剤)が用いられます。
●紫外線療法
症状のある部位、もしくは全身に照射して過剰な免疫を抑える治療です。
紫外線の種類によって長波長(UVA)と中波長(UVB)が用いられます。当院では中波長の中でも308mmという波長のみを照射するエキシマライトを用いて治療を行っております。この波長は従来の紫外線療法の中でも治療効果が特に高いと言われています。照射の頻度は症状によって異なりますので、診療時にご確認ください。
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帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染ですが、水痘(水ぼうそう)を経験した人にだけ発症します。
水痘は多くの人が子供の頃にかかり、発症後1週間程度で治りますが、ウイルスが消滅したわけではありません。神経節に隠れ、数年から数十年の期間を経て帯状疱疹として再発します。老化、過労やストレスなど、体の抵抗力が低下したときに発症すると考えられています。
皮膚に症状の出る数日~1週間前に神経痛のような痛みや知覚異常があり、その後、通常は左右片側のどちらか一方の神経支配領域に帯状に水疱が出来ます。また耳の中や下に皮疹が出た場合は顔を動かす神経が麻痺(顔面神経麻痺)する可能性があり、目が閉じれず、食事の時に口から汁がこぼれ、顔がゆがんでしまいます。
問題は痛みです。痛みは皮疹が出る前から出現し、出ている間の急性期痛と皮疹が消えた後に残る慢性期痛(帯状疱疹後神経痛)があります。皮疹出現前は筋肉痛や関節痛と間違いやすく、シップを貼ってかぶれてきたと言って受診される患者さんもいます。
急性期痛は持続する痛みですが、皮膚症状が消えるころになくなるのが一般的です。帯状疱疹後神経痛は間欠的に出現し、数ヶ月から、ときには数年にわたって続くことがあります。高齢の方や、皮膚症状や痛みが強い場合に残る危険性が高いのですが、できるだけ早期に皮膚科を受診し、確実に治療を行うことである程度予防することが出来ます。
治療は抗ウィルス薬の内服療法が主体(腎機能により減量が必要)ですが、重症な場合には入院して点滴治療が必要な場合もあります。また水疱、びらんに対しては外用治療を併用します。これらの治療により1~2週間で皮膚症状は治癒します。
痛みに対しては痛み止めの内服治療を行います。残念ながら後遺症として痛みが残ってしまった場合、特効薬などはないのですが、三環系抗うつ薬と呼ばれる薬剤の内服である程度まで疼痛は緩和されます。一般的には神経痛の部位を冷やさずに保温することが痛みの軽減につながります。
その他、早期から神経ブロックによって痛みの治療を行うと、帯状疱疹後神経痛が残りにくいとの報告もあります。
水痘と異なり空気感染はしないので、会社や学校を休む必要はありませんが、疲れているときにかかりやすいと言われているので十分な休息が必要です。普通の大人はすでに水痘にかかって免疫ができているのでうつりません。また帯状疱疹の患者さんと触れて直接帯状疱疹になることもありませんが、乳幼児など免疫がない乳幼児や免疫力が低下している人にはうつる可能性があるので注意が必要です。
帯状疱疹の予防接種について
50歳を過ぎたら帯状疱疹の予防接種ができます。ご希望の方は、完全予約制になりますのでお電話にてお問合せください。(ワクチンの取寄せにお時間を頂戴しております。)
ワクチンは下記の2種類があります。
【生ワクチン】従来型の帯状疱疹予防ワクチン「水痘ワクチン」
予防効果:約50% 接種回数:1回
●65歳以上で文京区在住の方 ※1回のみ区から一部助成があります。
費用:¥4,000(税込)
文京区保健所へ連絡していただき、予診票を取り寄せしてからご予約してください。
●文京区以外でご希望の方
費用:¥8,800(税込)
注意事項
生ワクチンのため以下の飲み薬や注射で治療中の方は接種できません。
副腎皮質ステロイド/免疫抑制剤/抗リウマチ剤/抗悪性腫瘍薬
【不活化ワクチン】シングリックス(グラクソ・スミスライン社)
予防効果:80~90% 接種回数:2回(2回目は1回目接種後2-6か月で接種)
費用:¥22,000(1回)(税込)
●令和5年4月1日より文京区在住の接種時点で50歳以上の方
助成対象が50歳以上となり区より助成があります。(※49歳の方は誕生日前日から接種可能)
※(すでに文京区の帯状疱疹予防接種費用助成を受けたことがある方は対象外です。)
助成額:1回10,000円(2回まで)
※1回目を自己負担で接種した場合も2回目接種については助成制度の利用可能です。ただし接種の際に1回目の接種記録が必要になります。
米国やドイツ等で既に高い予防効果が確認されている新しいワクチンですが、
接種部位の痛みや発熱、頭痛、胃腸症状など一過性に副反応が出る欠点があります。
生ワクチンが接種できない方(上記注意事項参照)にお勧めです。
» 副作用について
ヘルペス
単純ヘルペスウイルスの感染で起き、顔にできるⅠ型と、外陰部・臀部にできるⅡ型のウイルスの2種類があります。
感染力が強いので大半の方が乳児期に感染していますが、初感染時に何も症状がでないことが多いです。
一方、成人の初感染では強い症状(高熱と激痛)がでやすくなります。免疫抗体を獲得しても、かぜなどの感染症、疲労やストレスなどの誘因で再発を繰り返します。
アトピー性皮膚炎などの肌の弱い方、免疫力が未発達な乳幼児、免疫の低下している方、免疫抗体のない方では容易に感染し、しかも重症化しやすいので、症状がでているときには接触しないように注意が必要です。
ヘルペスの治療は、抗ウイルス剤の約5日間の内服が有効です。水疱などの発疹の出る前にチクチク感などの予兆がありますので、その時点で内服を始める(エピソード療法)と治りが早くなります。
ヘルペスウイルスが神経節に入って潜伏すると薬は効きません。
しかし再発を放置するとさらにウイルス量が増え、症状も強くなりますので、再発時の治療が重要になります。
頻回に再発して日常生活に支障がある場合は、少量を連日内服する抑制療法も選択肢にあがります。医師と相談の上、決定します。
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乾癬
原因は未だに明確にはなっていませんが、身体の中の免疫バランスの異常によっておこる「炎症性角化症」という皮膚の病気に分類される疾患です。遺伝的な要因と様々な環境要因によって発症すると考えられ、人に移ることはありませんが、刺激を与えることにより、皮膚に炎症がおこり、表皮が厚く盛り上がって銀色の垢(鱗屑)がつき、ポロポロと剥がれ落ちてきます。
環境要因には、外的な因子(気候、ストレス、睡眠不足・偏食、喫煙など)と、内的な因子(糖尿病や高血圧症、肥満など)があります。現在日本には10~20万人の患者さんがいると言われております。
症状
5つの種類にわかれます。最も多い尋常性乾癬というタイプでは、頭部、肘膝などこすれやすい部位に好発します。また爪にも見られ、剥がれたり変形します。その他全身に広がり皮膚全体が赤くなる乾癬性紅皮症や関節リウマチのように関節が腫れたり痛んだりする関節症性乾癬、全身状態(発熱など)を伴い急速に進行する膿疱性乾癬、扁桃腺炎などの細菌感染症をきっかけに発症する滴状乾癬があります。
治療
乾癬の治療は症状の程度と患者さんのQOLを考慮して選択します。一番大切なことは継続して治療に取り組むことです。自分の判断で突然お薬をやめたり、使い過ぎたりしないように十分に納得の上正しく使用しましょう。
外用療法(塗り薬)、内服療法(飲み薬)、紫外線療法、注射療法の4種類があります。
●外用療法(塗り薬):基本の治療となります。
主に、免疫の働きを抑えて炎症を抑える「ステロイド外用薬」、皮膚の細胞に働きかけて異常な増殖を抑える「ビタミンD3外用薬」が用いられます。
●内服療法(飲み薬):他の治療との組み合わせで用いられますが、現在では単独で行うこともあります。
中等症~重度の場合に用いられます。主に、角質細胞の異常な増殖を抑える薬(ビタミンA)、免疫の過剰な働きを抑える薬(シクロスポリン)、炎症を抑える薬(オテズラ)があります。
●紫外線療法:症状のある部位、もしくは全身に照射して過剰な免疫を抑える治療です。
紫外線の種類によって長波長(UVA)と中波長(UVB)が用いられます。当院では中波長の中でも308mmという波長のみを照射するエキシマライトを用いて治療を行っております。この波長は従来の紫外線療法の中でも治療効果が特に高いと言われています。
詳細は、下記「中波紫外線療法」のバナーをクリックしてご覧ください。
●注射療法:生物学的製剤と言われ、体内の免疫機能に働きかける薬剤を皮下注射や点滴で投与します。
上記の治療で効果が見られない場合に用いられます。
日焼け
1. サンバーン(Sunburn)とサンタン(Suntan)
以前は小麦色の肌がもたらす健康的なイメージや、活性型ビタミンDを作る目的から日光浴が推奨されていました。しかし、近年、紫外線は皮膚の老化(シミ、シワ)を早めたり、発がん性を有していることが広く知られるようになりました。さらにフロンガスの使用によるオゾン層の破壊が進み、地球に降りてくる紫外線は増強する一方です。紫外線の影響は数十年後から現れてきます。子供のうちから大量の紫外線を浴びないように紫外線防御を心掛けることが大切です。
日焼けにはサンバーン(sunburn:紫外線に暴露した直後に現れる赤い日焼け、主にUVBによる)とサンタン(suntan:赤い日焼けが消えた後に現れて数週間から数か月続く黒い日焼け、主にUVAによる)があります。サンバーンを生ずると皮膚は真っ赤になりヒリヒリ痛みます。症状が強いと水疱が出てきます。サンバーンの原因であるUVBは刺激が強く、細胞の遺伝子を傷つけて、皮膚がんを引き起こすこともあります。またサンタンの原因であるUVAはシミのみならず、皮膚の深くまで到達してシワを形成します。
紫外線は6月~8月にかけて、一日のうちの正午をはさむ数時間で最大になります。しかし晴れた日や夏の熱い時期でなくても地上に降り注いでいます。むしろ秋から冬、春先にかけての皮膚の乾燥している時期は、スキンバリアが弱まっていますので、かえって紫外線の影響をうけやすいことがあります。
またUVAは室内や車内の窓ガラスを透過しますし、日陰にいてもコンクリートやビルの壁面からの照り返しで紫外線の影響を受けることがありますので、いつでも紫外線に対する注意は必要です。
2. 紫外線対策
紫外線の強い時間帯の外出を避け、以下のものを効果的に利用しましょう。
① 長袖の衣服、②帽子、③サングラス、④日焼け止め(日焼け止めの項参照)
⑤日傘、⑥日陰
(右絵のクロード・モネの日傘を持つ女性がお手本です。
これにサングラス、手袋もあればさらに理想的です)
赤ちゃんの場合は、大人と比べて皮膚が薄く、紫外線による悪影響を
受けやすいので紫外線対策は必要ですが、一方で日光浴不足による
ビタミンD欠乏も心配されています。
1日に必要なビタミンDを生産するために必要な適度な日差しの目安に
ついては、環境省から出されている、「紫外線保健指導マニュアル2015」を参考にして下さい。
3. 治療
基本的にはやけどと同じです。
① 冷却:流水、冷水、アイスノン、など
② ステロイド外用剤(軟膏):クリームでは刺激があるため、軟膏やスプレー剤が安全です。
③ ステロイドや消炎鎮痛剤の内服:症状が強くて、範囲が広い場合は早に病院を受診してください。
4. サンスクリーン(日焼け止め)について:皮膚癌の対策には絶対に必要なアイテムです!
紫外線(主にUVB)に暴露されて、数時間後には皮膚にうっすらと出る赤み(紅斑)を基にサンスクリーンの紫外線防御効果(SPF:Sun Protection Factor)が決められています。
(サンスクリーンを塗った時の紅斑が出現するまでの時間)=(サンスクリーンを塗らなかった時の紅斑が出現するまでの時間)×SPF
(一方、PAはUVAに対する効果で、+から++++までの4段階表示です。)
平均的な日本人の場合、真夏の強い紫外線のもとでは素肌は15分から25分で紅斑が出現します。
従って、SPF15のサンスクリーン使用により、紅斑が現れるまでの時間はその15倍の時間、すなわち4時間から6時間かかります。
この表示は1cm²あたり2mg外用した時の効果ですが、最近のサンスクリーンは非常に伸びがよく、皆さんが普通に外用している量では少なすぎるようです。また外用する際には手のひらなどにサンスクリーンが残ってしまい、実際に顔には半分の量も外用できていないという報告もあります。適量を少量ずつ、むらのないように重ねて塗るように(2度塗りのイメージ)して下さい。また汗などで流れてしまうと効果は期待できません。2~3時間ごとに塗りなおすのがベストです。
通常はSPF10~20を基本とし、アウトドアスポーツなどでは30~50で耐水性の高いものを選べばよいでしょう。また肌が敏感な方は紫外線吸収剤を含まないものを選ぶようにしましょう。落とすときは、石鹸をよく泡立てて優しく洗い流しましょう。化粧下地を兼ねるものや耐水性の高いものは、可能ならば専用のクレンジングを使用し、さらに石鹸洗浄のダブル洗浄が理想的です。
日光角化症
皮膚の癌というと、ほくろに似た癌であるメラノーマが有名です。
しかし実は日本人に一番多い皮膚の癌は有棘細胞癌で、皮膚の一番外側にある表皮の中の有棘細胞という部分が癌化して発症したものです。
体のどこにでも発症しますが、特に高齢者の顔に多く、最初は赤っぽいシミの症状から始まり、徐々に盛り上がり、がさがさ、じくじくしてきます。
この赤っぽいシミは日光角化症という有棘細胞癌の初期の状態で、別名、表皮内有棘細胞癌といいます。若い頃に大量に紫外線を浴びたことが多い人はリスクが高いことが分かっており、発生する場所は顔、首、頭、手の甲など、日に当たりやすい場所が多いという特徴があります。
日光角化症の状態であれば、まだ表皮内に癌細胞がとどまっている状態なので、抗癌剤などの塗り薬でなおる可能性がありますが、時間がたつと表皮の下の真皮にまで癌細胞が浸潤し、転移の危険性が高まるため、外科的な切除が必要となります。
湿疹にそっくりだけど、痒くない、かゆみ止めや傷の塗り薬をしばらくぬっても変化がない、そんな赤いシミは、日光角化症かもしれません。
放置しないで、早めに皮膚科専門医を受診してください。
光線過敏症
日光に当たり過ぎれば、誰もが「日焼け」を起こしますが、通常なら問題ない少量の光線を浴びただけで、皮膚に炎症が起きるものを光線過敏症といいます。
原因は、内因性の遺伝子異常から、外因性の光感受性物質まで多種多様ですが、はっきりしないこともあります。最近の紫外線の増強に伴って、症状を訴える人が徐々に増えてきています。
好発部位は顔面、特に鼻の頭や頬、耳たぶ、項部(首のうしろ)、上胸部のVゾーン、手背(手の甲)などです。日光の当たらないあごの下や手指の間などには皮疹ができません。
1. 多形日光疹
光線過敏症で最も多い疾患です。思春期から青年期の女性に多く見られ、3~7月に好発します。
日光に当ってから数時間後に、粟粒大の紅い湿疹が散発的に多発します。
2. 日光蕁麻疹
日光を浴びてから数分~数十分以内に、露光部位に一致して蕁麻疹が出ます。日光を避け、しばらくすると消退するのが特徴です。
3. 慢性光線性皮膚炎
原因不明の慢性に続く光線過敏症皮膚炎の総称です。中年以降の男性に好発し、露光部位に一致して皮疹が見られます。激しいかゆみで掻破して、しだいに皮膚がかたくなり、でこぼこしてきます。アトピー性皮膚炎患者さんや免疫不全の患者さんで見られることがあります。
4. 光接触皮膚炎
皮膚になんらかの化学物質が接触してアレルギー反応を起こした後に、日光(紫外線)を浴びると、同部症状の強いアレルギー性皮膚炎を生じます。原因物質は化粧品やサンスクリーン剤(紫外線吸収剤)、医薬品(ケトプロフェン含有の湿布剤や外用剤)などです。
5. 薬剤性光線過敏症
内服した薬剤が皮膚に到達して、そこに日光(紫外線)を浴びると、同部に発症する皮膚炎で、発症機序は光毒性反応とアレルギー反応に大別されます。光毒性反応では十分量の原因物質が皮膚に存在して十分量の光照射を受けた場合に発症します。光アレルギー性反応では、一定の潜伏期間(2日~2週間)を経て発症し、類似物質との交叉反応で起こります。
原因薬剤は多数あり、比較的よく処方されている薬剤では、プロキシカム(解熱鎮痛剤)、メタキジン(第二世代抗ヒスタミン薬)、クロルプロマジン(精神神経用剤)が知られています。
光線過敏症の治療の基本は日光に当たることを避けることで、日焼け止めを使用する際は2度塗りしたり、2~3時間経ったら再度重ね塗りをするようにします。
また、薬物療法としては一般的な皮膚炎の治療に準じ、重症度に応じてステロイド外用薬や、内服薬などを使用します。
水虫
水虫は、白癬菌というカビが足の皮膚に入り込んで生じる病気です。感染力はさほど強力ではありませんが、夏は白癬菌が増えやすく症状の悪化が多く見られるのが特徴です。
長期間付着して菌が繁殖してしまう前に、足と趾間の汚れを石鹸で丁寧に洗い落としましょう。普段から通気性のよい靴や靴下を履くことも大事です。家族に水虫の人がいる場合は、一緒に治療するようにしないとお互いにうつしあってしまいます。素足で使う履き物やマットは共有せず、家族みんなで治療を受けましょう。
通常は塗り薬で治療します。最近の塗り薬は非常に優秀ですが、角質が厚い場合(3)や爪水虫(4)になると塗り薬だけでは爪の中になかなか浸透しないため治すことは困難です。爪の中の白癬菌に薬が到達するには、飲み薬(経口抗真菌薬)が効果的とされています。内服前後に採血を行い、肝臓などへ影響がないかどうかを確認する必要があります。
1. 趾間型(しかんがた)
最もよく見られる型で、足の指の間が白くふやけて皮がむけます。
2. 小水疱型(しょうすいほうがた)
土ふまずや、足のふちに小さな水泡(水ぶくれ)ができます。
3. 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏、特にかかとの部分の角質が厚くなり、表面がゴワゴワになり皮がむけてきます。
4. 爪水虫(爪白癬:つめはくせん)
足の水虫が爪に徐々に入り込み、爪が白く濁ったり、厚くなり変形したりします。かゆみなどの自覚症状はありませんが、水虫を繰返す原因になります。
たこ・うおのめ
たこやうおのめは、足あるいは手の特定の場所に継続的に圧力がかかって発症します。足の骨格、変形、神経疾患による感覚異常、歩き方の癖や靴型の不具合などが原因ですので、それぞれについて対処する必要があります。(手にできるものはペンによって圧迫されてできます。)
たこは皮膚の表面の角質が部分的に肥厚したもので、違和感はありますが痛みません。
うおのめは肥厚した部分にさらに圧がかかり硬くなり、芯をもっているため、歩くたびに刺激されて痛みがあります。治療は剪刃などで病変を削ることです。普段は尿素やサリチル酸などの角質溶解剤を外用し、足のケアをします。
入浴後の角質が軟らかい時にやすりなどで削ることも有効ですが、イボや角質増殖型の水虫との鑑別が重要です。靴の中敷きや靴型を合わせることも大切です。
原発性腋窩多汗症
当院では、重度の原発性腋窩多汗症にはエクロックゲル、ラピフォートワイプ及びボトックスによる治療を行っています。
診断には以下の基準が用いられ、症状のうち2つが当てはまれば重度の原発性腋窩多汗症と診断できます。
重度の原発性腋窩多汗症の基準
- 最初に症状が出るのが25歳以下であること
- 左右両方で同じように発汗がみられること
- 睡眠中は発汗が止まっていること
- 1週間に1回以上多汗の症状がでること
- 家族にも同じ疾患の患者さんがいること
- わき汗によって日常生活に支障をきたすこと
エクロックゲル(12歳~)
日本で初めて健康保険の適用が認められた、原発性腋窩多汗症用のゲルタイプの塗り薬です。
交感神経から伝わる汗を出す指令を、汗腺が受け取れないようにブロックすることにより、発汗を抑えることが期待できます。1日1回、両わき全体に塗布します。
目に入ると散瞳を起こすことがありますので、手につかないように工夫された容器になっております。
ラピフォートワイプ(9歳~)
エクロックゲルと同様の機序のお薬ですが、9歳から使用できます。
1日1回、ワイプ1枚(1包)を用いて両脇に1回使いきりで塗布することで、脇汗の量が減り、脇汗による日常生活の困りごとを減らすことが期待できます。
目に入らないように、使用後はすぐに手を洗ってください。
ボトックス治療(成人)
脇窩に、ボツリヌストキシン製剤を注射します。神経から汗腺への情報伝達を遮断することで発汗量を減少させます。上記2剤で効果が不十分であったり、かぶれたりする方におすすめしております。
薬の効果は、通常注射後2~3日で現れ、4~9ヵ月程度持続します。(個人差があります)
多汗症を抑制し、発汗抑制効果を維持するには4か月以上の間隔を空け、定期的な注射が必要です。汗をかきやすい夏までに注射することをお勧めしています。
原発性手掌多汗症
原発性手掌多汗症とは、特に病気などの明らかな原因がないにもかかわらず、手のひら(手掌)に日常生活に支障をきたすほど、たくさんの汗が出てしまう状態です。
原発性手掌多汗症の診断基準
手の多汗症状が6カ月以上続き、以下の6症状のうち2項目以上当てはまる場合、「原発性手掌多汗症」と診断されます。
- 最初に手の多汗症状が出たのが25歳以下
- 左右の手のひらに汗をかく
- 睡眠中は発汗が止まっている
- 1週間に1回以上、手の多汗症状がみられる
- 家族に同じ症状の方がいる
- 手汗のために日常生活に支障をきたしている
アポハイドローション(12歳以上推奨)
アポハイド®ローション20%は、日本で初めて「原発性手掌多汗症」に対して保険適用が認められた外用薬です。
アポハイド®ローション20%は手のひらの皮膚から吸収され、皮膚の下にある交感神経から出される発汗を促す物質をブロックすることで、過剰な発汗を抑えることが期待されます。
1日1回就寝前に、手のひらに塗るお薬です。
何か気になるご症状があるかたはお気軽にご相談ください。