お子様の皮膚の病気について
アトピー性皮膚炎、とびひ、イボ、水イボ、おむつのかぶれなど、お子様に多い皮膚疾患を拝見します。
お子様の皮膚は、大人に比べて非常にデリケートなので注意が必要であり、また、お子様特有の皮膚症状も多く見られます。
そのため、皮膚科専門医がしっかりと診察した上で、お子様お一人お一人に合った方法で治療致します。
小児皮膚科の主な対象疾患
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、痒みを伴う特徴的な湿疹を慢性的に繰り返す皮膚病です。
「かゆみ」
「全体的に乾燥傾向のある湿疹が左右対称性にある」
「慢性、反復性の経過をとる」
これら3つの症状を伴う場合に診断に至ります。
多くの方は「アトピー素因」と呼ばれる喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、食物アレルギーなどのアレルギー性疾患の既往歴、家族歴を持っていることから、長らく「皮膚の炎症」を引き起こす免疫学的な側面からの研究が盛んでした。しかし、近年は「皮膚のバリア機能」や「かゆみ」も重要であることが明らかになっています。皮膚には、私たちの体を紫外線や化学物質、細菌などの外界の環境から守る「バリア機能」の役割があります。アトピー性皮膚炎の方はこの「皮膚のバリア機能」が低下しているため、さまざまな抗原(アレルゲン)や細菌、刺激物質などが入りやすくなり、それにより炎症細胞が活性化されて「皮膚の炎症」を引き起こすことがわかってきています。
また、アトピー性皮膚炎の皮膚では「皮膚の炎症」や「皮膚のバリア機能」の低下により引き起こされる「かゆみ」を特異的に伝達する神経がより発達しており、ヒスタミン以外の多くの起痒物質が「かゆみ」に関与しているとも言われています。「かゆみ」の増悪により掻きむしることで、元々低下している「皮膚のバリア機能」が更に低下し、侵入しやすくなった刺激物質が「皮膚の炎症」を引き起こすという「かゆみ」→「皮膚のバリア機能」→「皮膚の炎症」のサイクルを繰り返すことにより、アトピー性皮膚炎は増悪すると考えられています。
年齢によるアトピー性皮膚炎の皮疹の特徴
アトピー性皮膚炎は、年齢的な特徴があり、特に乳児期から幼児に病状が大きく変化します。
乳児期(2歳未満)では、頬、額、頭の露出部の乾燥から始まり赤みが出てきます。赤みが強くなってくると、かゆみを伴った湿疹が出現してきます。湿疹を引っ掻いたり、摩擦が起きたりすることで皮膚が傷ついて浸出液を生じ、 痂疲 を作り、場合によっては感染を伴います。湿疹は顔面から頚部、腋窩、肘窩、膝窩を中心に、胸腹部、背部、四肢へ一気に広がり悪化します。重度であっても、おむつの中の皮膚は正常に近いままであることも特徴です。この時期のアトピー性皮膚炎は、重症度が高いほど他のアレルギー性疾患の発症のリスクが高まることが示されています。一方で、早期に適切なケアをすれば治療への良い反応が期待できる時期でもあります。
幼児期・学童期(2~12歳)は、乳児期に比べると顔面の湿疹は少なくなり、関節部分の湿疹が悪化します。よく動き回るため特に頚部、腋窩、膝窩、鼠径、手首、足首の症状が典型的になります。さらに小学生以降では、四肢末端のかゆみの強い湿疹を掻き続けることで、固いしこり( 痒疹 )に移行することがあります。虫刺されの様な症状から変化してくることもあり、難治になるため湿疹の経過に注意が必要です。
思春期(13歳以上)以降は、顔面や頚部を中心に胸から上に湿疹が強い傾向があります。アレルギー性鼻炎、結膜炎も明らかになってきます。保湿剤や軟膏を保護者に塗ってもらうことをお子様が嫌がるようになる時期でもありますので、お子様自身で外用治療を継続できるように、思春期を迎える前に徐々に取り組んでおくと、スムーズに治療を本人に任せることができるようになります。
アレルギーマーチについて
乳幼児期に発症したアトピー性皮膚炎の方の7~8割が成人までに軽快するものの、小児期以降まで持ち越したアトピー性皮膚炎はその後の軽快が難しくなると言われています。乳幼児期のアトピー性皮膚炎は、重症度が高いほど他のアレルギー疾患を次々と発症することが分かってきており、これを「アレルギーマーチ」と言います。(アトピー性皮膚炎→食物アレルギー→気管支喘息、アレルギー性鼻炎)
新生児期から保湿剤を一日複数回塗布することで、アトピー性皮膚炎発症のリスクが下り、その後のアレルギーマーチを予防できるのではないかとも言われています。以前に比べ、乳幼児期にアトピー性皮膚炎の診断を慎重に、かつ早めに行い、積極的な早期治療を考えることが大切であるという意識が、一般的に浸透してきています。アレルギーマーチを発症しないためにも、気になる皮膚症状がありましたら、ぜひ早期にご相談にいらして下さい。
アトピー性皮膚炎の治療について
目標
アトピー性皮膚炎の治療では、以下のような状態を維持できるように目指します。
① 症状がない状態、あるいはあっても日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態
② 軽い症状はあっても、急に悪化することはなく、悪化してもそれが続かない状態
アトピー性皮膚炎は改善と悪化を繰り返しやすい疾患ですが、良い状態を維持することで、かゆみで目がさめず朝までぐっすり眠れるようになったり、プールで思い切り遊べるようになったり、生活の質の向上に繋がります。良い状態を維持して、ご自身の目標を達成しましょう。
治療の概要
当院では、患者様の症状やそれまでの治療歴に応じて、皮膚のバリア機能を高めるための保湿剤などのスキンケア、皮膚の炎症やかゆみを抑えるための外用剤や抗アレルギー剤の内服などを中心に治療を行っています。また、入浴などの生活指導、汗対策、掃除などの環境対策も重要です。気候の変化、汗、ストレスといった刺激によっても症状は増悪します。その他、皮膚の炎症を引き起こす刺激物質(アレルゲン)としてはダニやホコリなど環境抗原が多いですが、カビや花粉に対して陽性となる方もいますので、必要に応じアレルギーの血液検査も行っています。
外用療法について
外用剤の治療の中心となるのは、炎症やかゆみを抑えるためのステロイド外用薬と、症状が落ち着いてからの皮膚バリア機能を高めてよい状態を維持するための外用剤であるプロトピック®軟膏、コレクチム®軟膏、モイゼルト®軟膏となります。
炎症が高度な場合、まずはステロイド外用剤で速やかに炎症を抑えます。従来は炎症が再燃した時に合わせてステロイド外用剤を外用し、炎症をコントロールする方法(リアクティブ療法)をとっていましたが、現在推奨されている外用方法は「プロアクティブ療法」です。
ステロイド外用による「プロアクティブ療法」
- まずは即効性のあるステロイド外用剤で速やかに炎症、かゆみを抑えます。部位や重症度により、ステロイド外用薬の種類は異なりますが、皮膚の手触りがなめらかになり、かゆみがとれるまで連日外用します。目安は1~2週間。併用する保湿剤は1日2回以上塗りましょう。
- 症状が軽快したら、ステロイド外用薬を間欠的に(週1~2回)外用し、皮膚の良い状態を維持します。
一見きれいに見える状態でも皮膚の奥には炎症が残っていますので、ステロイド外用薬を一気に中止すると容易に再燃してしまいます。このように、再燃する前に間欠的に外用することを「プロアクティブ療法」といいます。この間も保湿剤の1日2回外用は継続し、徐々に維持外用薬に切り替えていきます。
適切なステロイド外用剤による治療で症状が落ち着いた後に、維持外用薬(モイゼルト®軟膏、コレクチム®軟膏、プロトピック®軟膏、ブイタマー®クリーム)を用いて維持療法を行います。
※維持外用薬にも皮膚の炎症やかゆみを抑える作用はありますが、即効性がないため、現時点では、比較的新薬であるコレクチム®軟膏、モイゼルト®軟膏、ブイタマー®クリームについては「プロアクティブ療法」が有効であるかどうかははっきりわかっていません。今後の治療経験の積み重ねにより明らかになっていくと思われます。
治療のポイント
以上のように、アトピー性皮膚炎は根気よく治療を続けていると多くの方で症状が改善され、日常生活は維持療法や保湿剤のみでコントロールが可能になります。
また、アレルゲンを減らすためのこまめな部屋掃除など、住環境の改善も必要です。しかし、普通の社会生活を送っている以上、完全にダニやホコリを完全に遮断した生活は不可能ですから、症状の程度に波があってもおかしくありません。たとえ症状が軽くても、日々の保湿剤を中心としたスキンケアを欠かさないことが重要です。炎症が取れた“アトピー性皮膚”の状態に落ち着くまで、地道に治療を続けましょう。
※乳幼児の場合は、前述のように皮膚の病変部で暴露された食物を含めた環境抗原によるアレルギーの発症を予防するためにも、早期診断・早期治療が望ましいと考えられています。
難治性の重症アトピー性皮膚炎の治療
【生物学的製剤・JAK阻害薬】
残念ながら上記の薬剤でも湿疹のコントロールが難しい方もいらっしゃいます。長い間炎症が続いていたために皮膚が厚くなり触れるとザラザラしている
苔癬化
という状態になっている方、皮疹が固く盛り上がり虫刺されの後の様な
結節性痒疹
という状態になっている方には外用療法のみでは限界があります。
アトピー性皮膚炎では、IL-4、IL-13、IL-31をはじめとするサイトカイン(※)という免疫物質が皮膚の炎症を引き起こし、皮膚のバリア機能を低下させたり、かゆみを起こしたりすることが知られていますが、生物学的製剤であるデュピクセント®はIL-4 、IL-13をピンポイントに抑えるため、「かゆみ」→「皮膚のバリア機能低下」→「皮膚の炎症」の悪化サイクルへの介入が期待できます。また、同じく生物学的製剤であるミチーガ®はIL-31をピンポイントに抑えるため、上記の悪化サイクルのうち、特に「かゆみ」の改善が期待できます。その他、IL-13のみを抑えるものとして、アドトラーザ®、イブグリース®もあります。
それらに加え、ステロイドなどの免疫抑制剤の内服薬とは異なるアトピー性皮膚炎内服薬として、免疫担当細胞の表面にあるヤヌキナーゼ(JAK)を阻害する内服薬も追加されました。
※サイトカインとは:免疫細胞から分泌され、遺物から体内を守る働きをしているたんぱく質。炎症性サイトカインが過剰に分泌されると、炎症やかゆみの原因となる。
【中波紫外線療法】
部分的な難治性の湿疹に対しては、当院では特定の領域の中波長をあてる紫外線療法(エキシマライト)を選択することもあります。中波紫外線の「免疫の働きを弱める作用」を利用し、アトピー性皮膚炎や乾癬、円形脱毛症などの皮膚疾患の治療に用いられます。照射時に痛みはなく、紫外線アレルギーがなければ重い副作用の報告もありませんが、色素沈着が照射部位に一致して起こります。複数回の照射が必要となります。
当院では以上の治療を適切に組み合わせてアトピー性皮膚炎を軽快させ、長時間良い状態に維持することを目指しております。更に詳細をお知りになりたい方は、下記バナーをご覧ください。
各々の製剤の詳細は以下の各「●●の詳細はこちら」をクリックしてご覧ください。
アトピー性皮膚炎治療薬
【ステロイド外用薬】
治療の基本となる薬で、部位や湿疹の重症度に応じて適切な強さ(ランク)を選択します。即効性があり、主に炎症やかゆみを抑えます。通常は1日1回で、湿疹部に外用します。
ステロイド外用薬には様々な種類があり、作用の強さに違いがあります。「強さ」は5段階に分類されます。
Ⅰ群.最も強い(ストロンゲスト):デルモベート®など
Ⅱ群.非常に強い(ベリーストロング):アンテベート®・ネリゾナ®など
Ⅲ群.強い(ストロング):リンデロン®・メサデルム®など
Ⅳ群.おだやか(マイルド):キンダーベート®など
Ⅴ群.弱い(ウィーク):プレドニゾロン®など
【プロトピック®軟膏】2歳から使用可能
プロトピック®軟膏の有効成分であるタクロリムスは、皮膚の過剰な免疫反応を抑える効果があります。タクロリムスは皮膚から吸収されると刺激やかゆみの元になる物質を作り出す神経に働きかけるため、その物質が大量に放出されます。これが使い初めに刺激となって感じられることもありますが、1週間ほどで刺激感は減少していき、それと同時にアトピー性皮膚炎によるかゆみも治まっていきます。プロトピック®軟膏は、ステロイドのように皮膚が薄くなる心配がないので長期間外用していただけます。また、粒子が大きいため正常な皮膚からは吸収されず、バリア機能が壊れている皮膚からのみ吸収されるので副作用の心配が少ないです。
【コレクチム®軟膏】生後6カ月から使用可能
2020年6月より、日本で開発された世界初の非ステロイド・外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。サイトカインが免疫担当細胞であるTh2細胞上のJAKという受容体にくっつくと、JAKは更にサイトカインをたくさん作るように命令します。コレクチム®軟膏は、このJAKの働きを抑えることで、炎症やかゆみを抑えアトピー性皮膚炎を改善します。副作用としてまれに刺激感が感じられることがあります。外用する際は、皮膚を覆うようにたっぷり塗ると、薬剤が患部まで浸透します。たっぷり塗ることで乾燥した皮膚を守る効果も期待できます。
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【モイゼルト®軟膏】生後3カ月から使用可能
日本初のホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤の外用薬で、ステロイド外用薬やプロトピック®軟膏、コレクチム®軟膏などの免疫抑制外用薬とは異なる新しい作用を持つ塗り薬です。アトピー性皮膚炎の炎症細胞の中にある炎症を抑えるシグナルを分解し、炎症を増幅してしまう酵素であるPDE4をモイゼルト®軟膏が阻害することで、炎症とかゆみを改善します。副作用としては皮膚炎、ざ瘡(ニキビ)、毛包炎(おでき)、色素沈着などが考えられますが、免疫を抑制しすぎることがないため重症な副作用もなく、安全性の高い外用薬として認識が広がっています。ステロイドの様に皮膚が薄くなったり、プロトピック®軟膏のように初期の刺激感が出たりすることもありません。ステロイド、プロトピック®軟膏、コレクチム®軟膏の様な使用量の制限がないため、広範囲に外用できるのも利点です。効果を出すためには1か月くらい必要です。
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【ブイタマー®クリーム】12歳から使用可能
最新の外用薬であるブイタマー®クリームは、有効成分タピナロフが皮膚の表皮細胞に存在する芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより、様々な遺伝子に働きかけ、皮膚の炎症を起こすサイトカインを低下させ、抗酸化分子の発現を誘導して皮膚の炎症を抑制すると共に、皮膚のバリア機能を改善します。他の薬と異なり1日1回の外用剤です。副作用としては、吹き出物、ニキビ、かぶれ、頭痛などがあります。
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【デュピクセント®】生後6カ月から使用可能
従来の治療法で十分な効果が得られない、アトピー性皮膚炎の方は、「デュピクセント®」を検討します。2週間に1回(体重30kg未満の小児は4週に1回)の注射で、免疫細胞が産生する炎症に関与する物質、サイトカインのIL-4、IL-13の作用を抑えることができます。これにより、アトピー性皮膚炎の主な要因である「皮膚の炎症」「かゆみの増悪」「皮膚のバリア機能低下」のすべてに対する効果が期待できます。自己注射も可能ですので、通院に伴う時間的な制約や負担が減り、ご自身のライフスタイルに合わせて治療が可能になります。主な副作用に過敏症反応、結膜炎(目やまぶたの炎症)、ヘルペス感染、注射部位反応が考えられます。保湿剤の継続は必要です。
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【ミチーガ®】6歳から使用可能
デュピクセント®と同様、従来のアトピー性皮膚炎の治療である各種外用薬及び抗アレルギー剤を使用しても、主に「かゆみ」が改善しない場合に、かゆみに対する効果が強いミチーガ®を検討します。ミチーガ®は通常4週に1回の注射で、IL-31の働きをブロックする新しいタイプのお薬です。ミチーガ®は、特に発達障害(特に自閉症スペクトラム)で感覚過敏がある方、搔破行動が非常に強い方、新規治療薬を使うことに抵抗がある方にとって、注射の本数、用量、頻度などを含めて検討した時に、初めに導入する全身治療法として、有効な治療法の一つと言えます。ミチーガ®は、他の全身療法と比較すると抗炎症効果は強いものではありませんが、感覚過敏があり著しい搔破が認められる症例に対しては、IL-31のみを抑えることで「皮膚の炎症」に対しても改善効果が期待できます。保湿剤の継続は必要です。
主な副作用は、過敏症反応、感染症、皮膚状態の悪化、注射部位反応が考えられます。
アトピー性皮膚炎の治療のまとめ
【外用薬】
| モイゼルト®軟膏 | コレクチム®軟膏 | プロトピック®軟膏 | ブイタマー®クリーム | |
|---|---|---|---|---|
| 有効成分 | PDE4阻害薬 (ジファミラスト) |
JAK阻害薬 (デルゴシチニブ) |
免疫抑制剤 (タクロリムス) |
AhR調整薬 (タピナロフ) |
| 適応年齢 用法用量 |
1日2回塗布 【生後3ヶ月以上】 0.3%・1% [1回あたりの塗布量] 2歳:0.6㎥=6g 4歳:0.75㎥=7.5g 10歳:1.0㎥=10g 【15歳以上】 1%のみ [1回あたりの塗布量] 15歳以上:1.68㎥=16.8g |
1日2回塗布 【生後6か月以上】 0.25%・0.5% 【15歳以上】 (治験は16歳以上) 0.5%のみ [1回あたりの塗布量] 上限5gまでとし 体格を考慮 体表面積の30%まで目安 |
1日1~2回塗布 【2歳以上】 0.03%のみ [1回あたりの塗布量] 2歳~5歳 (20kg未満)=1g 6歳~12歳 (20kg以上50kg未満)=2g~4g 13歳以上 (50kg以上)=5g 【15歳以上】 0.03%・0.1% |
1日1回塗布 ●アトピー 【12歳以上】 [1回あたりの塗布量] 適量 ●尋常性乾癬 【15際以上】 [1回あたりの塗布量] 適量 |
| 剤型 | 10g・28g/本 | 5g・10g/本 | 5g/本 | 15g/本 |
【注射薬】バイオ製剤
| デュピクセント® | ミチーガ® | アドトラーザ® | イブグリース® | |
|---|---|---|---|---|
| 有効成分 | 抗IL-4/13受容体抗体製剤 (デュピルマブ) |
抗IL-31受容体抗体 (ネモリズマブ) |
抗IL-13受容体抗体 (トラロキヌマブ) |
抗IL-13受容体抗体 (レブリキズマブ) |
| 適応年齢 用法用量 |
【生後6か月以上】 ●5kg以上15kg未満: 200㎎(シリンジ1本) 4週に1本 ●15kg以上30kg未満: 300㎎(ペン1本) 4週に1本 ●30kg以上60kg未満: 400㎎(シリンジ2本) 2週に1本 (初回は2本) ●60kg以上: 300㎎(ペン1本) 2週に1本 (初回は2本) 【15歳以上】 300㎎(ペン1本) 2週に1本 (初回は2本) |
【13歳以上】 60㎎(シリンジ1本) 4週に1本 【6歳以上13歳未満】 30㎎(バイアル1本) 4週に1本 ★13歳未満は 自己注射不可 |
【15歳以上】 300㎎(シリンジ2本) 2週に2本 (初回は4本) ★自己注射可 |
【12歳以上 かつ40kg以上】 250㎎(ペン1本) 2週間に1本 (初回と2回目は2本) ※症状に応じて 4週に1回も可能 ★自己注射可 |
| 剤型 | ペン シリンジ |
シリンジ バイアル |
シリンジ | ペン シリンジ |
【内服薬】JAK阻害薬
| リンヴォック® | サイバインコ® | オルミエント® | |
|---|---|---|---|
| 有効成分 | JAK阻害薬 (ウバタシチニブ) |
JAK阻害薬 (アプロシチニブ) |
JAK阻害薬 (バリシチニブ) |
| 適応年齢 用法用量 |
【12歳以上かつ 体重30kg以上】 1日1回1錠 1回につき15㎎を経口投与 ※アトピー性皮膚炎の成人については症状に応じて 1回30㎎まで投与可 ★開始後1か月、3か月、 6か月、12か月後に 胸部レントゲン(胸部CTも可)・血液検査が必要 |
【12歳以上】 1日1回1錠 1回につき100㎎を経口投与 ※症状に応じて 1回200㎎まで投与可 ★開始後1か月、3か月、 6か月、12か月後に 胸部レントゲン(胸部CTも可)・血液検査が必要 |
【2歳以上】 1日1回 ●アトピー(小児)・関節炎 30kg未満:1回2㎎ ※症状に応じて1㎎に減量 30kg以上:1回4㎎ ※症状に応じて2㎎に減量 ●リウマチ・アトピー(成人)・円形脱毛症/ 1回4㎎ ※症状に応じて2㎎に減量 ★開始後1か月、3か月、 6か月、12か月後に 胸部レントゲン(胸部CTも可)・血液検査が必要 |
| 剤型 | 錠剤 | 錠剤 | 錠剤 |
※当院では、現時点ではJAK阻害薬の取り扱いはしておりません。
とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひは、あせもや虫刺されを掻きこわした傷、すり傷、ジクジクした湿疹などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染して起きます。伝染力が強く自分自身で病変部を増やしてしまうだけでなく、兄弟、友人にも細菌のついた手を介して感染が広がってゆきます。特に肌に傷ができていたり、アトピー性皮膚炎などがあると容易にひろがり、重症化してしまいます。
とびひの治療は、まずは病変部の石鹸洗浄です。よく泡立てた石鹸を含ませたガーゼで病変をやさしく洗い、シャワーなどの流水で洗い流します。消毒は必要なく、抗生物質含有ステロイドが入った塗り薬を外用します。浸出液をおさえるための亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。場合によっては抗生物質とかゆみ止めの飲み薬を服用します。抗生剤は、細菌培養検査にて原因となる細菌を同定し、最も効果のあるお薬を処方致します。
イボ(ウイルス性疣贅)
イボの治療は、液体窒素による凍結療法が基本ですが、痛みに弱いお子様には薬剤塗布による治療(治癒までに時間がかかる場合や、一部自費診療になる場合があります。)や内服治療も行っておりますので、詳しくはご相談下さい。
水イボ(伝染性軟属腫)
水イボは、イボウイルスとは異なるウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)の感染によっておこります。
保育園、幼稚園児から小学校低学年によく見られ、中央がくぼんで光沢のある大きなものから、淡い赤色の小さなものまで大きさは様々です。放置しておいても1~2年で大部分は消えますが、モルスクム反応(水いぼ周囲の湿疹化)によってかゆくなり、それを引っ掻いてしまうことで(自家接種)、全身に広がり、数が増えることがあります。保湿剤外用などの湿疹病変のコントロールが必要です。
患児との直接の接触だけでなく、バスタオルやスポンジ、 ビ―ト板などの器物を介しても感染します。園や学校によってはプールに入れないことや集団活動に制約がでることもあります。
治療は、摘徐が基本で、専用のピンセットで水イボを1個ずつ摘まんで中身を取ります。尚、痛みを軽減するため麻酔テープもあります(効果がでるのは貼付して約1時間後です)ので、お気軽にご相談下さい。
おむつかぶれ
尿や便に含まれるアンモニア、酵素などに皮膚が刺激され、おむつの当たるところに赤いブツブツやただれができます。
尚、炎症が高度で膿疱まで出来ている場合には、カンジダ皮膚炎の可能性があります。 その際は膿疱の一部を採取してカンジダの有無を検査します。(カンジダ皮膚炎参照)
おむつかぶれのみの際は、オリーブ油で汚物をふきとり、ぬるま湯でおしりを洗い、亜鉛華軟膏やワセリンを塗ります。また、ひどい時には弱いステロイド軟膏を塗ります。過度な石鹸洗浄は皮膚のバリア機能がますます壊されるので控えましょう。
接触性皮膚炎
1. 砂かぶれ
手足の皮がむけたり、赤くなったり、ブツブツができたりします。砂遊びの後に生じるものが典型的ですが、原因は砂のみに限定されるわけではありません。汗による異汗性湿疹(汗疱状湿疹)と混同されて使用されているケースも多いようです。症状が落ち着くまで砂遊びを控えてもらい、ステロイド外用を行います。どうしてもの場合はビニール手袋などを使用するのも一案です。普段から ハンドクリームをこまめに外用します。
2. よだれかぶれ
よだれとともに付着する食べ物による刺激、よだれを拭き取る際の摩擦刺激、拭き取ることによる皮膚の乾燥など、複数の要因が重なり、口の周りはもとより、頬などにも皮膚炎を生じます。食事や授乳の前後に保湿剤を口周囲に外用すること、ふき取るときにオリーブ油を使用することなどで、症状を軽減させることができます。
3. 植物によるかぶれ
お子さんは、日常生活で様々な植物と接触する機会が多く、植物が触れた部分をなぞるように線状に赤くなったり、水ぶくれができたりします。原因となる植物はウルシ、ハゼ、ギンナン、イラクサ、最近ではガーデニングブームの影響で、サクラソウ、キクなどの報告も増えています。原因である植物を同定するにはパッチテストが必要ですが、お子さんには実際的ではありません。被疑植物を避けていただく、ハイキングなどでは長袖、長ズボンを着用することで対処してもらいます。治療はステロイド外用、かゆみ止め内服になります。
水痘・帯状疱疹
水痘(みずぼうそう)
水痘は、麻疹に次ぐ感染力の強いウイルスで、飛沫感染し罹患者の約80%は5歳までに発症しています。潜伏期は平均15日で、軽い発熱とともに顔面・体幹を中心に小紅斑が多発し、紅斑は速やかに赤い小水疱となり、水疱は徐々に膿疱化し、通常5~7日でカサブタ化します。
皮疹出現のごく初期では虫刺されと間違うこともありますが、お子様の場合は予防接種をされていることも多く、一般に軽症ですが、皮疹の拡大のみならず、発熱やかゆみの軽減につながるため、積極的に抗ウイルス薬の内服薬を処方します。
帯状疱疹(成人の帯状疱疹を参照)
帯状疱疹は、高齢者に多く強い痛みを伴った皮膚病ですが、最近は若い方に発症する例もあります。体の片側に痛みやかゆみとともに、赤いブツブツや水疱が帯状に出現し、次第に膿疱化し、約2週間でカサブタ化します。炎症が強く、皮膚に糜爛や潰瘍を形成して傷跡になることもあります。
軽症の場合は抗ウイルス薬の塗り薬でも治療可能ですが、やはり抗ウイルス薬の内服を処方します。水痘と同じ薬になります。痛みやかゆみを抑えたりするだけでなく、炎症の程度を軽減して皮疹の拡大や程度を軽くすることによって傷跡になることを防ぐ効果もあります。
ヘルペスウイルス感染症
1. 口唇ヘルペス
最も一般的な病態で、発熱、紫外線の曝露、疲労などが誘因となりますが、実際には成人に比べて小児では少ないようです。皮疹の出現する1~2日前に局所に熱感、違和感、ピリピリとした刺激感などの前兆がみられ、小型の水疱が出現し、次第に集まって膿疱、糜爛になり、やがてカサブタになり7~10日で治ります。
2. ヘルペス性歯肉口内炎
乳幼児・小児のHSVの初感染のうち90%は不顕性感染ですが、ときに初感染の症状としてヘルペス性歯肉口内炎があります。高熱とともに口腔内、舌、口唇などに小潰瘍、白苔を有する糜爛が多発し、所属リンパ節の腫脹が著明で、口腔内の痛みにより摂食・飲水が困難となります。発熱は3~5日程度で解熱しますが、口腔内の病変の治療には約2週間ほどかかります。
3. カポジ水痘様発疹症
アトピー性皮膚炎に合併する例が多く、抗HSV抗体保有率の低下と、重症型のアトピー性皮膚炎の増加に伴って、学童期~成人での発症が増加しています。
発熱、リンパ節腫脹などとともに、顔面に多発性の小水疱が多数出現し、さらに顔面全体に播種状に拡大し、水疱は破れて糜爛します。全身状態が悪いと入院が必要になる場合があります。
4. ヘルペス性ひょう疽
指先に感染し多房性水疱を形成します。痛みが激しく、腋窩などの所属リンパ節が腫れ、発熱することもあります。乳幼児では指しゃぶりで口腔内病変から感染したり、逆に指から歯肉口内炎を生じることもあります。
ヘルペスウイルス感染症の治療は、抗ウイルス薬の内服が第一の選択しで、初期では特に高い有効性が見られます。口唇ヘルペスなどの再発に対しては、成人の場合は抗ウイルス薬の塗り薬のみで治療可能ですが、お子様の小児の場合には、抗ウイルス薬を内服した方が良いと思われます。
カンジダ性皮膚炎
カンジダ性皮膚炎は、便の中にいるカンジダ菌が、皮膚の弱い赤ちゃんのお尻について炎症を起こし、股の皮膚のシワの間にまで赤いブツブツができたり、真っ赤にただれる事もあります。
カンジダ性皮膚炎の治療は、患部の皮膚を顕微鏡で調べてカンジダ菌がいるかどうかを確認し、カビに効く抗真菌剤の塗り薬を使用します。また炎症が高度な時期はステロイド外用を併用します。
虫刺され
虫刺されは、蚊・ブヨ・ノミ・ダニ・ハチなどの昆虫が吸血、刺咬、または接触することで皮膚に侵入する毒や唾液成分によって刺激性、アレルギー性の炎症反応が生じることをいいます。
虫に刺された直後~翌日に、その部分が赤く腫れたり、水ぶくれになったり、しこりになり、特に小さいお子様の場合は腫れやすい傾向があります。
いずれも、軟膏を短期間外用し、腫れや痒みが強い場合には、抗アレルギー薬の飲み薬を服用します。
虫刺されは、かゆいからといって、患部を掻き壊すと、とびひになったり、治りにくい痒疹(痒みのある硬くなった皮膚)になることがありますので、きれいに治していくためにも、皮膚科の受診をお勧め致します。






























