皮膚の病気について

皮膚の病気は、患者さんご自身でも目で見て確認することができ、治療の結果も一目瞭然になることから、症状や治療結果に振り回されて不安やストレスを抱えることが多々あります。
治療に対して常に前向きな気持ちを保つためには、診療に当たる医師や医院のスタッフとの間の信頼関係を築くことが何よりも大事です。

そのために当院では丁寧な問診ならびに視診を心がけ、必要に応じて様々な検査をしながら、病気の原因や考えられる治療法(選択肢)を詳しく分かりやすくご説明をさせて頂きます。
また、難治性のものであっても現状維持の治療に終始することなく、大学病院など必要な医療機関と適切に連携しながら治療を行っていきます。
とはいえ通常の診療では時間的制約もあり、忙しい日常生活の中では思うように通院に時間がとれないことも事実です。

患者さんが不安を抱えず、納得されて治療に関わって頂くために、またご自身の状態に最も合った治療法を医師やスタッフと共に効率よく話し合って選択できますように、このホームページや院内のパンフレットなどをぜひご活用ください。
正しい知識を得た上で、一緒に治療を進めて参りたいと思います。

花粉症、花粉皮膚炎

花粉症は、スギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、ヨモギといった植物の花粉が鼻や目の粘膜に触れることによって発作性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみなどの一連のアレルギー症状を言います。原因物質としては、日本ではスギが多く、花粉症の約70%がスギ花粉症と言われています。

症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりのアレルギー性鼻炎と目のかゆみ、充血のアレルギー性結膜炎が生じます。
花粉症は、その年に飛散する花粉数によって症状の強さが変わり、また、症状もくしゃみ・鼻水がつらいタイプと鼻づまりが強くなるタイプに分けられます。
またスギ花粉の季節に、スギ花粉症ある患者さんの一部の人に露出部(顔や頸部)が、赤くなりかゆくなります。ブタクサで同様の症状がでることもあります。
アトピー性皮膚炎の30%の人にこの季節、症状の悪化があるとの報告があります。

花粉症の治療

花粉症の治療は、内服薬や、点眼薬などを症状に応じて、組み合わせて使用します。
作用別には、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、局所ステロイド薬、局所血管収縮薬などに分けられますが、抗アレルギー薬などは、一定の効果がでるまでに時間がかかることから、症状の出始める前に治療を始めることが大切です。
花粉が飛び始める2週間前くらいからお薬を飲んだり、目薬をさすことで、症状を軽く抑えることができますので、どうぞお早めにご来院下さい。

ご自身でもできる花粉症対策

外出時には、マスクや防止を着用

花粉の吸引を最小限に抑えるためのマスクや、髪に花粉をつきにくくするための帽子を身に着けて外出しましょう。フリースなどの花粉がつきやすい素材の服は避け、家に入る前に体の花粉をよく払うことも効果的です。

こまめな掃除と空気清浄機の活用

どんなに気をつけても、家の中の花粉をゼロにすることはできません。こまめに掃除機をかけ、家の中に花粉がたまらないように注意しましょう。また、ほこり・ダニ・花粉の除去が可能な空気清浄機を使用することも効果的です。

バランスの良い食事を摂り、よく眠る

花粉症は、アレルギー症状です。ストレスがたまっていたり、体が疲れていたりすると、アレルギーが出やすくなります。栄養のある食事を摂り、睡眠をしっかり取って体を十分に休め、健康な状態を保つことが大切です。

日焼け

1. サンバーン(Sunburn)とサンタン(Suntan)

以前は小麦色の肌がもたらす健康的なイメージや、活性型ビタミンDを作る目的から日光浴が推奨されていました。しかし、近年、紫外線は皮膚の老化(シミ、シワ)を早めたり、発がん性を有していることが広く知られるようになりました。さらにフロンガスの使用によるオゾン層の破壊が進み、地球に降りてくる紫外線は増強する一方です。紫外線の影響は数十年後から現れてきます。子供のうちから大量の紫外線を浴びないように紫外線防御を心掛けることが大切です。
日焼けにはサンバーン(sunburn:紫外線に暴露した直後に現れる赤い日焼け、主にUVBによる)とサンタン(suntan:赤い日焼けが消えた後に現れて数週間から数か月続く黒い日焼け、主にUVAによる)があります。サンバーンを生ずると皮膚は真っ赤になりヒリヒリ痛みます。症状が強いと水疱が出てきます。サンバーンの原因であるUVBは刺激が強く、細胞の遺伝子を傷つけて、皮膚がんを引き起こすこともあります。またサンタンの原因であるUVAはシミのみならず、皮膚の深くまで到達してシワを形成します。
紫外線は6月~8月にかけて、一日のうちの正午をはさむ数時間で最大になります。しかし晴れた日や夏の熱い時期でなくても地上に降り注いでいます。むしろ秋から冬、春先にかけての皮膚の乾燥している時期は、スキンバリアが弱まっていますので、かえって紫外線の影響をうけやすいことがあります。
またUVAは室内や車内の窓ガラスを透過しますし、日陰にいてもコンクリートやビルの壁面からの照り返しで紫外線の影響を受けることがありますので、いつでも紫外線に対する注意は必要です。

2. 紫外線対策

紫外線の強い時間帯の外出を避け、以下のものを効果的に利用しましょう。
① 長袖の衣服、②帽子、③サングラス、④日焼け止め(日焼け止めの項参照) ⑤日傘、⑥日陰
(右絵のクロード・モネの日傘を持つ女性がお手本です。
これにサングラス、手袋もあればさらに理想的です) 赤ちゃんの場合は、大人と比べて皮膚が薄く、紫外線による悪影響を 受けやすいので紫外線対策は必要ですが、一方で日光浴不足による ビタミンD欠乏も心配されています。
1日に必要なビタミンDを生産するために必要な適度な日差しの目安に ついては、環境省から出されている、「紫外線保健指導マニュアル2015」を参考にして下さい。

3. 治療

基本的にはやけどと同じです。
① 冷却:流水、冷水、アイスノン、など
② ステロイド外用剤(軟膏):クリームでは刺激があるため、軟膏やスプレー剤が安全です。
③ ステロイドや消炎鎮痛剤の内服:症状が強くて、範囲が広い場合は早に病院を受診してください。

4. サンスクリーン(日焼け止め)について

紫外線(主にUVB)に暴露されて、数時間後には皮膚にうっすらと出る赤み(紅斑)を基にサンスクリーンの紫外線防御効果(SPF:Sun Protection Factor)が決められています。
(サンスクリーンを塗った時の紅斑が出現するまでの時間)=(サンスクリーンを塗らなかった時の紅斑が出現するまでの時間)×SPF
(一方、PAはUVAに対する効果を表し、+から++++までの4段階表示です。)
平均的な日本人の場合、真夏の強い紫外線のもとでは素肌は15分から25分で紅斑が出現します。
従って、SPF15のサンスクリーン使用により、紅斑が現れるまでの時間はその15倍の時間、すなわち4時間から6時間かかります。
この表示は1cm²あたり2mg外用した時の効果ですが、最近のサンスクリーンは非常に伸びがよく、皆さんが普通に外用している量では少なすぎるようです。また外用する際には手のひらなどにサンスクリーンが残ってしまい、実際に顔には半分の量も外用できていないという報告もあります。適量を少量ずつ、むらのないように重ねて塗るように(2度塗りのイメージ)して下さい。
また汗などで流れてしまうと効果は期待できません。2~3時間ごとに塗りなおすのがベストです。
通常はSPF10~20を基本とし、アウトドアスポーツなどでは30~50で耐水性の高いものを選べばよいでしょう。また肌が敏感な方は紫外線吸収剤を含まないものを選ぶようにしましょう。落とすときは、石鹸をよく泡立てて優しく洗い流しましょう。化粧下地を兼ねるものや耐水性の高いものは、可能ならば専用のクレンジングを使用し、さらに石鹸洗浄のダブル洗浄が理想的です。
当院では敏感肌の方やお子様でも安心して使用できる日焼け止めをご用意しております。
また諸事情でどうしでも日焼け止めが使用できない方や、小まめな塗り直しが難しい方のために、1日1錠で24時間効果の持続する飲む日焼け止めもご用意してります。
あくまでも外用剤の補助的な意味合いのものではありますが、日差しの強い時間帯の外出が避けられないときなどにご活用ください。

光線過敏症

日光に当たり過ぎれば、誰もが「日焼け」を起こしますが、通常なら問題ない少量の光線を浴びただけで、皮膚に炎症が起きるものを光線過敏症といいます。
原因は、内因性の遺伝子異常から、外因性の光感受性物質まで多種多様ですが、はっきりしないこともあります。最近の紫外線の増強に伴って、症状を訴える人が徐々に増えてきています。
好発部位は顔面、特に鼻の頭や頬、耳たぶ、項部(首のうしろ)、上胸部のVゾーン、手背(手の甲)などです。日光の当たらないあごの下や手指の間などには皮疹ができません。

1. 多形日光疹

光線過敏症で最も多い疾患です。思春期から青年期の女性に多く見られ、3~7月に好発します。
日光に当ってから数時間後に、粟粒大の紅い湿疹が散発的に多発します。

2. 日光蕁麻疹

日光を浴びてから数分~数十分以内に、露光部位に一致して蕁麻疹が出ます。日光を避け、しばらくすると消退するのが特徴です。

3. 慢性光線性皮膚炎

原因不明の慢性に続く光線過敏症皮膚炎の総称です。中年以降の男性に好発し、露光部位に一致して皮疹が見られます。激しいかゆみで掻破して、しだいに皮膚がかたくなり、でこぼこしてきます。アトピー性皮膚炎患者さんや免疫不全の患者さんで見られることがあります。

4. 光接触皮膚炎

皮膚になんらかの化学物質が接触してアレルギー反応を起こした後に、日光(紫外線)を浴びると、同部症状の強いアレルギー性皮膚炎を生じます。原因物質は化粧品やサンスクリーン剤(紫外線吸収剤)、医薬品(ケトプロフェン含有の湿布剤や外用剤)などです。

5. 薬剤性光線過敏症

内服した薬剤が皮膚に到達して、そこに日光(紫外線)を浴びると、同部に発症する皮膚炎で、発症機序は光毒性反応とアレルギー反応に大別されます。光毒性反応では十分量の原因物質が皮膚に存在して十分量の光照射を受けた場合に発症します。光アレルギー性反応では、一定の潜伏期間(2日~2週間)を経て発症し、類似物質との交叉反応で起こります。
原因薬剤は多数あり、比較的よく処方されている薬剤では、プロキシカム(解熱鎮痛剤)、メタキジン(第二世代抗ヒスタミン薬)、クロルプロマジン(精神神経用剤)が知られています。

光線過敏症の治療の基本は日光に当たることを避けることで、日焼け止めを使用する際は2度塗りしたり、2~3時間経ったら再度重ね塗りをするようにします。
また、薬物療法としては一般的な皮膚炎の治療に準じ、重症度に応じてステロイド外用薬や、内服薬などを使用します。

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りくぎえん皮膚科

院長・医学博士
二神 綾子

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